8月のコラム「お食事タイムがもっと楽しく、豊かになるランチルーム」 2025年07月25日

敬愛学園では、「うれしい・たのしい・おいしい食事」をテーマに、

食べることそのものを“生きる力”の土台と捉え、日々の保育に取り入れています。

 

今月はわくわくの「ランチルーム」をご紹介させていただきます。

毎日のお食事タイムが、心弾む楽しいひとときになるように――

そんな願いを込めて始めた取り組みには、私たちの思いがたくさん詰まっています。

 

◎これまでの保育園のお食事スタイル◎

今までは同じ時間に全員で「いただきます」をし

決められた量のごはんを食べ、早く食べ終わっても

他のお子さまを待って全員で

「ごちそうさま」をするスタイルを、長く続けてきました。

しかし、そんな毎日に?マークを感じていました。

「もっと一人ひとりに寄り添える時間にできるのではないか」と。

 


◎ランチルームを始めたきっかけ◎

厚生労働省『保育所における食事の提供ガイドライン』には、

保育の原則として「一人ひとりに応じること」が挙げられています。

食事の量やスピード、好き嫌いも、お子さまそれぞれ。

誰かに合わせるのではなく、自分の心と身体に耳を傾けて

「今の自分に合った食べ方」を見つける。

その力を育むのも、保育の大切な役割だと考えました。


 

◎ランチルームの魅力と工夫◎

★時間も場所も、自分で決める

お子さまは、遊びのきりの良いタイミングでランチルームに行きます。

朝食時間や内容、登園時間や、その日の気分もそれぞれ違います。

だからこそ、「おなかがすいたから行ってみよう」

と自分から思えるタイミングで食事ができるようにしています。

誰と一緒に食べるかも自由。ゆったりとした雰囲気の中で、自然な笑顔があふれます。

 

★自分に合った量を選べる、セミバイキング形式

食事はセミバイキング形式で

「多め」「ふつう」「少なめ」のお皿から

お子さま自身が食べたい量を選びます。

職員は「今日はどれくらいにする?」とやさしく声をかけながら

一人ひとりの気持ちに寄り添います。

自分で選んだごはんを、自分のペースで味わうことで

「食べるって楽しい!」という気持ちが自然と育まれていきます。
このような経験の積み重ねは

「自分を大切にする力」や「自分で選ぶ力」へとつながっていきます。

私たちは、お子さまの声に耳を傾け

その「選びたい!」「やってみたい!」という気持ちを尊重することで

主体性が育まれていくことを大切にしています。

 

★完食のよろこびが生きる力に

自分で選んだ量を、きちんと食べきれた時――

お子さまの顔が、ぱっと明るく輝きます。

「できた!」という達成感は、自信となり、また次への意欲を生み出します。

もちろん、苦手なものを無理に食べさせることはありません。

「今日は食べない」「今日はこれくらいにしようかな」「ちょっとだけ挑戦してみよう」

そんな選択も尊重し、やがて「食」への興味が芽生えるよう

ゆっくりと環境を整えています。

 

★食事の時間を「心の原風景」に

小学校に入ると、給食時間はどうしても短くなりがちです。

だからこそ、幼児期の今

「食べるって楽しい!」「誰かと一緒に食べるってうれしい!」

そんな心に残る共食(きょうしょく)体験をたくさんしてほしいと願っています。

 

★異年齢のつながりも育まれる空間

春からは年長組さんがスタートし

夏には年中組・年少組もランチルームに仲間入りしました。

時間差で同じ空間を使うことで、異年齢のふれあいも自然に生まれます。

年長組が上手にお箸を使って食べる姿を、年少組さんが憧れの眼差しで見つめる。

「わたしも、やってみたい!」――

そんな気持ちが芽生えることも、ランチルームの大きな魅力です。

 


◎「食」への興味を育てる環境づくり◎

園の中心には

調理の様子が見えるガラス張りのクッキングルームがあります。

食材が並び、炒める音や香ばしい匂いが立ちのぼる――

お子さまは五感で「今日のごはん、楽しみだな」と自然に感じられるのです。

ランチルームは明るく開放的で、観葉植物が保育室との空間を優しく区切ります。

トレーをスライドさせながらセルフで進む楽しさもあり

「選ぶ」「運ぶ」といった行動が、意欲と自主性を育ててくれます。

食べ終わったあとは、再び保育室に戻って遊びます。

一人ひとりのペースを大切にしながら

心地よく一日を過ごせるように工夫しています。

 


~毎日を楽しく、おいしく、心豊かに~


「おいしかったー♡」「明日も楽しみ!」

豊かな「食」の体験は

やがてお子さまの“自分らしく生きる力”へとつながっていきます。

私たちはこれからも、毎日のランチタイムに

たくさんのワクワクや発見

そして温かなつながりが育まれるよう

丁寧に環境を整えてまいります。

 

・・・ランチルーム・・・

そこは

お子さまの心と身体を育てる

かけがえのない「学びと出会いの場所」なのです。

 



                                                      敬愛きたの保育園 園長

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