7月のコラム「モリアオガエルとの出会いを通して」 2025年06月25日

「モリアオガエルとの出会いを通して」


 5月のある日、5歳児コスモス組さんが、浅川中学校の栗山にあるビオトープに歩いて出かけました。モリアオガエルの卵があるらしいと聞いたからです。モリアオガエルは、水面上にせり出した木の枝や草の上、地上などに粘液を泡立ててつくる泡で包まれた卵塊を産み付けます。ビオトープにたどり着くまでには、急な階段や山道を歩かなければなりません。やっとたどり着いたビオトープ。「下に水がある木の上に卵がある!!」と現地に詳しい情報を下さった方からは聞いていましたが、すぐには見つかりません。


「あっ、いた!」と初めに見つけたお子さまの声に続き「こっちにも!」「あそこも!」皆の歓声が山の中に響きます。卵がある木の下の池にはオタマジャクシがいっぱい!お子さま達は、息をするのを忘れていないかと心配するぐらい感動の表情です。


 原体験とは、実際に自分で見て、触れて感じることです。そして人の生き方や考え方に大きな影響を与える幼少期の体験のことです。


 敬愛学園は、お子さまのやりたいを叶える教育を実践しています。目、鼻、口、耳、皮膚の直接的な感覚を大切にした「原体験」により、そのお子さまらしい感性を育て、表現力・想像力を開花させていきます。モリアオガエルの卵と出会ったときの驚き、喜び、自分が第一発見者であることの誇らしさはいかほどだったでしょうか。山の中のにおい、ビオトープのドロドロの感触や濁った水の色、そしてオタマジャクシを触った時の命の温かさ。どんなに知識が豊かでも体験を伴わなければそれは「表面」だけの学びで終わってしまいます。本当に必要なのは、生きた体験です。そしてお子さまのそばにはいつも共に感動しお子さまの全てを肯定的に受け止める保育者がいます。


 今、数匹のモリアオガエルのオタマジャクシが、コスモス組のお部屋で暮らしています。昨年も陵南公園のジャブジャブ池からきたオタマジャクシを育てた経験があるお子さまたちはオタマジャクシがキノコを食べることを知っていました。しかしモリアオガエルはなかなかキノコを食べません。すると一人のお子さまから「元気がでるようにかえるのうたを歌おう!」と声が上がりました。水槽の周りに皆集まってきて歌うのですが、食べる様子はありません。今度は違うお子さまが「鍵盤ハーモニカでふこう!」と鍵盤ハーモニカの伴奏で輪唱が始まりました。するとなんとオタマジャクシがキノコをたべ始めたのです!「キノコ食べた!」「元気になっている!」「口が見えた!」それはそれは大喜びでした。


 お子さまが「自分で成長するために」お子さまが「やってみたい!」ことを実現できる環境を日々創造してまいります。


敬愛たかお保育園 園長

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