6月のコラム「出会いが育む、やさしさと成長の物語」 2025年05月29日
~ちいさいお友だちはかわいいね! おにいちゃんはかっこいいね!~
春のやわらかな日差しの中、4月の入園式を終え、保育園のお子さまたちの新しい生活が始まりました。新入園児も在園児も、少しずつ園の生活に慣れてきた頃――4月の終わりに、年長児(5歳児)のコスモス組が「竹の子掘り」に出かけました。
場所は、八王子市寺田町にある敬愛学園の自然豊かな「カルミアグローリホール」にある竹林です。毎年恒例の竹林での活動です。お子さまたちは、まるで宝探しをするように、わくわくしながら竹の子を探しました。
「たけのこご飯が食べたい!」「すまし汁にしてほしい!」と、キッチンの先生にもリクエスト済み。そんな気持ちを胸に、大きな竹の子と楽しかった思いをしっかり抱えて、園へと戻ってきました。
園に戻ると、ひときわ誇らしげに竹の子を見せてくれたAくん。ちょうどその時、新入園児1歳のYちゃんが抱っこを求めてきたので、私はYちゃんを抱きながらお出迎えしていました。Aくんは、私の腕の中にいるYちゃんには気づきもせず、竹の子を見せながら熱心に説明を始めます。担任の先生が「手を洗ってお着替えしようね」と声をかけても、なかなか離れようとしないほど、夢中な様子。 でも、そのときAくんは、ふとYちゃんの存在に気づきました。そして、そっと手を伸ばしてYちゃんのほっぺを触ろうとしたその瞬間、「あっ、手が汚れてる!」と自分で気がつき、「今すぐ着替えてくるから、待っててね!」と言い残して、急いで着替えに行きました。
数分後、手も洋服もきれいにして戻ってきたAくん。今度こそ、安心してYちゃんのほっぺにふれて、優しくにっこり。Yちゃんもとっても嬉しそうに笑ってくれました。その姿は、まるで本当の兄妹のようで、そっと見守っていた私の胸にも温かい気持ちが広がりました。
実はAくんとYちゃんは、どちらも朝一番に登園してくる仲良しの2人。新しい環境に不安で泣いていたYちゃんに、Aくんは何も言わずに寄り添って、一緒に遊んでくれていたそうです。言葉がなくても、心で寄り添えるAくんのやさしさ。Yちゃんの「さみしいよ…」という気持ちを、言葉以外の“サイン”で感じ取れるAくんの共感力と他者への思いやりに、思わず胸が熱くなった瞬間でした。
0歳児から5歳児までが共に過ごすこの園では、日々の生活の中でこうした「学び合い育ちゆく保育」が自然と生まれています。お子さまたちが出会い、関わり合いながら、やさしさや思いやりを育んでいく姿――その積み重ねこそが、私たちにとって何よりの喜びです。
これからも、たくさんの心温まる出会いと成長の物語が、この園で生まれていくことでしょう。
敬愛フレンド保育園 園長