7月のコラム「「生きる力」と「深い学び」 災害体験「出ない!つかない!流れない!」を通して 」 2024年06月25日
今年はいつもよりも遅い梅雨を迎えましたが、お子さまは自然の変化を楽しみながら、自分らしさを発揮し、思い思いの遊びを満喫しています。
ここ最近、様々な地方で地震が起きています。園でもいざというときのために、災害体験を企画し、6月に大地震を想定して、水が出ない、電気がつかない、トイレの水が流れない、災害体験「出ない!つかない!流れない!」Dayを実施いたしました。
この日を迎える1週間くらい前に、大地震が起きて電気がつかなくなることや水が出なくなることをお子さまにお話しして、当日どのように過ごしたらよいのか?何が必要なのか?を皆で考える時間をつくりました。また、当日は各クラスに2Lのペットボトルを1本配るので、その水をどのように使えばよいのかも考えました。時間は10:00~14:30の4時間半と設定し、3・4・5歳児クラスはお子さまと一緒に、0・1・2歳児クラスは職員で様々な対応を考えました。1歳児クラスは窓がないので(ビルの中にある保育園)、お部屋が真っ暗になります。そこで、懐中電灯の他に、ランタンやヘッドライトを準備しました。また、0歳児クラスはポットが使えないので、災害用の液体ミルクを使用することにしました。3歳児クラスでは「トイレを作ろう」と、段ボールなどを使って皆でトイレを作りました。
いよいよ当日が来ました。お子さまたちはわくわくした気持ちと不安な気持ちを併せもちながら災害体験がスタートしました。10:00に大地震が起きたことを想定し、放送を流しました。その後、電気のブレイカーを落とし、水の元栓を閉めて水が出ないようにしました。お子さまたちは、「電気が消えたよ!暗いね」と口々に話した後、水道に行き「本当に水がでない!!」と、水が出ないことを皆で確認していました。手を洗うことができないので、どうするのか?クラスで考えた結果、5歳児クラスではウェットティッシュで手を拭くことにしました。また、4歳児クラスは、配られた2Lの水で手洗いをすることに決めたとのことで、各クラス様々でした。食事の後のうがいはどうするか?では、5歳児クラスは、2Lの水を使い、コップに少ない水を入れでうがいをして、うがいした水は飲むことにしたそうです。また、どのくらい水を使ったのか?ペットボトルに線をひいて「うがい」と書いて分かるようにしていました。一番大変だったのが、トイレです。水で流すことができないので、衛生面も考えながら、手探り状態ですが、簡易トイレを作って対応しました。
この体験を通して、様々なことを考えるきっかけとなりました。災害が起きた場合の5日間、何がどのくらい必要なのか、今後増やしたいものも分かりました。また、お子さまたちにも変化がありました。水が出なかったり電気がつかなかったりした体験をしたことで、水や電気のありがたさを知り、大切にする心が育まれ、SDGsにもつながりました。保護者の方にもお知らせしていたので、お家でも話題にして、いろいろ対策を考えたり、災害に対する意識が高まったりした家庭も多くありました。この数日後、4歳児・5歳児クラスでは、災害用の水を使い、自分たちで非常用の“わかめご飯”を作る体験もしました。ご飯が出来上がるまで、約1時間かかりましたが「おいしい!」との声が上がりモリモリ食べていました。
初めての災害体験でしたが、いつ起こるか分からない災害に備えて、対策をすることが大切であることを実感しました。イメージがもてない中では、どんな対策を行えばよいのか分かりませんが、この災害体験を通して、改めて災害について向き合う機会となりました。また、お子さまの「生きる力」を育み「深い学び」となり、生きた教育につながりました。今後もお子さまと一緒に様々な本物体験を行ってまいります。
敬愛きたの保育園 園長