5月のコラム「おおきくなったから…かわいいじゃなくてかっこいいんだよ!」~進級した喜びを全身で感じて~ 2024年04月25日

 4月のある日、2歳児ドリーム組から3歳児ホープ組に進級したお子さまと話していた時のことです。「かわいい、かわいいホープさん」と言うと「もうかわいいじゃなくてかっこいいホープさんだよ」と2~3名のお子さまに言われました。「そうなのねー。どういうところがかっこいいの?」と聞くと「(洋服の胸のあたりを擦りながら)ここをよごさなくなったから、おまえかけしなくなったし、ごはんたべるときもトレーじゃなくてナフキンだよ」と今までドリーム組で使用していたものが、進級にあたり使わなくなったことに大きな誇りを持っているようでした。そして「かわいい」ではなく「かっこいい」ということを言って欲しいということでした。
 

 大人からすればまだまだ生まれてから3~4年のお子さまに「可愛い」いう言葉を連発してしまいがちですが、お子さまにとっては「大きくなったんだよ」の言葉に「こんなこともできるようになったよ」「もうあかちゃんじゃないんだよ」ということを言葉と身振りで一生懸命伝える姿がありました。進級することに大きな喜びを持ち、自信と誇りを胸いっぱいにふくらませる新3歳児の姿に感動し、心から拍手を送りました。この感動をある先生にお話しすると「私もホープちゃんと呼んだら、違うって言われました。ホープさんといってと言われたのです」ということでした。この「ちゃん」と「さん」の違いも敏感に感じとれることに、大きな成長を感じました。
 
 4歳児では「ミミズ探し」に夢中でいろいろなところに出かけ探しています。公園や園庭でミミズに出会ったのがきっかけで、図鑑や物語で様々な知識を得て「ミミズ」への興味が大きく高まっていました。幾日もいろいろな公園に行って探していると、ある公園の落ち葉の下を、木の枝でかきわけていると小さな赤ちゃんミミズを発見。その近くに太くて長いミミズが出てきてお子さまたちは大興奮だったようです。わくわく、ドキドキしてやっと探し求めた大きなミミズは木の枝で持ち上げようとしても重くて枝が跳ね返ってしまうほどだったようです。担任の先生は、お子さま達がミミズに出会うのを楽しみにしていたので、保育室でミミズを飼うという方向にお子さまの関心が向くのかなと思っていましたが、お子さまからは「お母さんミミズと赤ちゃんミミズが離ればなれになったら可哀想だからとまた枯れ葉の下にそっともどしてあげた」ということでした。この自然の生き物を通して生体への探求心と心の優しさを一緒に学んだ4歳児レインボー組のお子さまたちでした。
 

お子さまは日々、園生活の中でいろいろなことを感じ、学び、大きなお兄さん・お姉さんに憧れ、小さなお友達に自分たちがしていただいた優しさで接することができる心が育まれています。その育まれるスピードや内容は一人ひとり違いますが、この園生活の中で確実に培われていくのを実感し、その瞬間に出会うことができる幸せを心から感謝する毎日です。
 

 敬愛学園の保育方針の中に「穏やかな保育」「豊かな保育」「学び合い育ちゆく保育」があります。愛情あふれる環境の中で、様々な遊びや経験を通し、たくさんのお友だちと関わってご成長する姿をこれからも丁寧に喜び合い、現在と未来の幸せのために、「生涯を生きる力」を育んでまいります。


 若葉の中を通り過ぎる爽やかな風に誘われて、5月もたくさん戸外に出かけて、フィールドワークを楽しんできます。どんな「わくわく」が待っているのでしょうか?
                        

敬愛フレンド保育園  園長

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