2月のコラム 「本物の楽しい遊び」 2021年01月25日

今年は、コロナ禍の中で、どこの乳幼児施設も新しい生活様式の中で、様々な創意工夫を凝らして遊びが展開されています。

 敬愛学園もお子さまが「自ら発見した遊び」や「やってみたい遊び」を基本として、お子さまが主体的に工夫をしながら遊び続けられる環境づくりに努めています。

 

 ある日の4歳児の男の子がお部屋にあった図鑑を見ていると「どろ団子」が目に止まりました。「どろ団子を自分も作りたい」と思い担任に伝えました。担任がクラス内で話し合いをするとお友達の同意が得られて全員で実践することになりました。話し合いの結果「色付きどろ団子」を作ることに決まり、どうしたら色がつくかをみんなで考え、「土に絵の具を混ぜれば色が付く」ことに納得したお子さま達は、大喜びで全員が世界に一つだけの色付きどろ団子を作り始めました。先ずは砂場の砂を大きなトレーに運び、どの位の水を加えると固まりやすいかを一人ひとりが工夫をしながら、そして色を決めて黄色・青・赤の絵の具をそれぞれ砂に混ぜてみると「本当に色が付いた」と感動するお子さま達。明日も続きがしたいので大きなトレーをログハウスの屋根の下に大事にみんなで運びました。翌日見に行くと土が固まっていたので、少し水を足してもう一度こねて、お子さまが工夫をしながら大きさや形など一つ一つ違うものが完成しました。見事に丸められた物もあれば今にも崩れそうな物など千差万別でしたが、お子さまは自分の色付きどろ団子に満足した様子でした。出来上がったどろ団子は、発砲スチロールのお皿に入れてログハウスの前に展示してお家の方に見て頂きました。「小さいお団子」「やまもりお団子」「赤・青お団子」「黄色お団子」など様々な物が並びました。それを満足気に見つめるお子さま達。「ねえー、私のはこれだよ。こっちは〇〇ちゃんの。こっちは〇〇君の」と得意気に私に話すお子さま達の表情から、色付きどろ団子作りは、とてもとても楽しかった様子が伝わってきました。

そして数日後、「どろんこジュースを作ってみよう」と呟いたお子さまの意見を生かし、プラスチックのコップにどろの塊と水を入れるとジュースが完成し、ストローを差してジュース屋さんへと遊びが変化しました。「一万円ですよ」「おいしいですよ」と得意気な表情でお店やさんになるお子さま達の姿と嬉しそうにジュースを買うお子さま達の姿が見られました。

 

 お子さまの「やってみたい」の気持ちを尊重して遊んだ一例ですが、自分達のやりたい遊びに取り組んでいるお子さま達の目は、もちろん輝いて表情も真剣そのものです。その表情をそばで見ていると「生きる力の基礎」を育んでいる保育者としての喜びが沸々と湧き上がってきます。毎日がこの様な遊びの連続であってほしいと願います。そして、お子さまの「先生、○○やりたい。○○やってみたい」の想いを真剣に真面目に受け入れられる私たちでありたいとも思います。お子さま達が自分の主張を伝えたとき、受け入れてもらえる大人がすぐ近くにいることの安心感と大人への信頼感を私たちは何よりも大切にしなければなりません。この安心感と信頼感こそがよりよい大人への成長につながる筈です。お子さまが満足して遊ぶ姿は、お子さまの幸せにつながり、保護者の幸せにもつながります。幸せなお子さまや保護者を見続けられる保育者はもちろん幸せいっぱいになります。コロナ禍だからこそ敬愛学園は、これからも本物の実践を続けてまいります。                         

                                        敬愛学園 参与

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