保育のプロによる月刊コラム

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2017年11月25日

12月 コラム 「自然は学びの宝庫」

敬愛学園のあるここ八王子、町田は自然が身近にあって、お子様は豊かな自然体験ができます。

食育で欠かせないお野菜の栽培も、先生自身も野菜作りは素人で見様見真似ながら、お子様にお野菜に興味を持っていただきたい、好きになっていただきたい、育てる楽しさと、収穫の感動と、丹精込めて育てたお野菜の特別な美味しさを味わっていただきたいと、お子様と一緒に熱心に取り組んでいます。

念願かなって豊作の時は自然の恵みに感動し特別な美味しさに最高の気分になります。

しかし上手くいかない時もあります。日照りが続き水やりが不足するとたちまちしおれ苗を弱らせてしまったり。種まきが早すぎたり,遅すぎたりした時もいくらお世話をしても実が成らなかったり。稲のお水が冷たくて育たなかったことや稲穂がすずめに食べられたこと。甘い蜜に蜂がたくさん来てしまったこと。とうもろこしや西瓜がおいしそうになった途端お猿さんに食べられてしまったり、収穫間近のさつまいもがイノシシにすっかり食べられてしまったり・・・。

でも不思議とそんな時の方が、なぜだろうどうしてだろうと自然について詳しく調べてみたり、お子様なりに原因を振り返ってみたり、どうすればいいか考えたりして深い学びに繋がっていくように思います。

自然の摂理を学んだり、身近に生きている猿やイノシシの気持ちを我が身に引き寄せて考えてみたり、生き物のおかれている環境や、問題に気が付いたりすると、憎んだり、怒ったりしていた気持ちから、反対に愛情が湧いてきて、理解し合って生きていくことを学んでいるようです。

更にいつもおいしくいただいているお野菜をこんなに上手に作っている農家の方は、色々な知恵を持っていて、色々なことに立ち向かっていて、たくさんのお世話やご苦労をされてお野菜はつくられているんだろうなーと、そのすごさに改めて気づき尊敬と憧れの気持ちと心からの感謝の気持ちが湧き起こります。

 八王子を流れる浅川や、町田の境川も学びの宝庫です。

春になるとおたまじゃくし、めだか、しまどじょう 、ザリガニ、ふな。採って来てはお部屋で大切に育てます。ワイワイと皆でお世話をして、その一挙手一投足に驚き感動し命を育む喜び楽しさを感じ、愛しさを感じ、かけがえのない存在になっていきます。

しかし生き物とはいつかお別れの時があります。一生懸命お世話していたのに死んでしまった時。大きくなって元の環境に返してあげなければならない時。その時、お子様の心は激しく揺さぶられます。別れを受け入れなければならないと、頭では分かっているけど、やり場のない悔しさ、理不尽さ、自分への無力感。悲しさ、さみしさなどの抑えがたい感情。おそらくお子さまにとって初めて深く自覚する心の葛藤かも知れません。

 でもそんな時、保育園では一緒に心の痛みを分け合う一緒に育ったお友達がいます。保育園のお友達は特別です。保育園という場でたまたま一緒に育っただけかも知れませんが、一緒に何年も同じ時を過ごし、小さい時から何百回何千回も一緒に食事をし、お互いに何が好きで何が嫌いで、どんな時に笑ってどんな時に泣くのかよく知っているお友達は、友達を超えて兄弟、姉妹以上の絆で結ばれている縁深い関係と言えるのではないでしょうか。

同じ喜び、悲しみを共有してきたこのお友達と一緒なら、知恵を出し合い、さみしさを乗り越えたり、前向きになれるよう励まし合ったりする事が出来ます。一人ぼっちの孤独な中で自己を作ることなど出来ません。人の存在、一緒に笑い怒り、悲しみ、共に泣く存在、豊かな人のぬくもりの中で温かい人間味あふれる人間性は培われます。

 トンボ、ちょうちょ、かぶとむし、くわがた、でんでんむし、だんごむし。金魚に亀にうさぎや小鳥。皆お子様の大切なお友達です。

 年長コスモス組のもものつどいの創作ミュージカルではそんな体験を見事にお子様自身の言葉で表現し、高らかにその気持ちを謳い上げています。

保育園ではこれからもお友達と一緒に自然からたくさんのことを学んでいきたいと思います。

 

                                                      学園総合長 高橋 光代   


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