保育のプロによる月刊コラム

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2017年7月25日

8月 コラム 「好奇心を持った時が 学ぶ時・育つ時」

お子さまは生活していく中で、お手紙やポスター、本、テレビやパソコンの画面などを通して様々な文字に触れているため、人に伝える手段として文字を書くという方法があることを自然に学んでいます。おままごとや学校ごっこ、お手紙を身近な人に渡したい、クイズをみんなに見える所に張っておいて解いてほしい、行事のポスターを張ってみんなに来てほしいなど、「書きたい」気持ちが溢れ出た時に「ねえ、どうやって書くの?」と聞いては書き夢中になって書こうとします。その時が文字の習得のチャンスです!周りの大人が寄り添って一文字ずつ丁寧に伝えることが大切です。

もう5歳だから、就学までにはひらがなの読み書きが習得できるようにならなくては・・・。と焦って教えようとすると、お子さまは「むずかしい」「かきたくない」「わからないからかいて」と文字を書くこと読むことが嫌になってしまいます。キーワードは『遊びを通して学ぶことの喜びを味わう』です。乳幼児期は「生きる力の基礎」を育む大切な時期です。その中でも確かな学力に繋がる「学びの芽生え」をお子さまが主体的に遊びを通して、探究したり表現したりしていくことを大切にしています。

保育園でも、毎日の遊びの中でクイズを紙に書いてはトイレのドアに張っているお子さまがいました。「こんなところに張らないで」と言ってしまってはお子さまの好奇心ややってみたい気持ち、書きたい気持ちも潰してしまいます。壁の塗装が剥がれるところと、テープを張っても跡にならない場所を伝えると、納得しそれからは自分で貼る場所を考え、プラスチック製のペーパーホルダーに張るようになりました。また次のクイズの内容を考えては書きみんなに解いてほしいという一心で一生懸命です。

先日は5歳児クラスのお子さまが「水に浮くもの・沈むものを知る」ことをねらいとして様々な生活素材を組合わせて水に浮かぶものを作りました。作ったものを意気揚々と大きなプールに浮かべてみました。ビニールやペットボトルや発泡スチロール、スチレントレイ、プラスチック容器などの他にも、紙の箱やカップ、ラップの芯なども付けています。初めはみんな浮かび「やったー!うかんだ!」と声を上げて喜んでいました。しかし、流れるプールのように水の流れを作って、流して遊んでいるうちに紙の素材で作ったものたちがどんどん水に濡れて崩れていってしまいました。お子さまたちはとても悲しく悔しい思いをしました。でも、沈んでいないものを実際に見て「これならば濡れても壊れない、沈まない」ということを感じ取りました。すぐに次のものを作り、2回目は大成功!その喜びは、初めに作った時よりも失敗を経験したからこそ大きな大きな喜びになりました。

『好奇心が強い子は未知の可能性を持つ子』です。どんなことでも好奇心の赴くまま、やってみたくなった時にできた時、その子が感じることや学び取ることは何倍にも増えます。「遊び」は子どもが「自己を」形成する大事な行動です。遊びの中で主体的に行動し、感じて考えてどんな思考を身につけるのかは周りの人的環境である大人の接し方や環境作り次第で変わっていきます。お子さまは遊びの中で目には見えない大事なことをどんどん吸収していきます。

これからも、やってみたい好奇心を大切にしながら、遊びの中でたくさんの学びが得られるような保育をして参ります。

                               敬愛高倉保育園 園長 塚本千鶴

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