保育のプロによる月刊コラム

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2017年6月25日

7月 コラム 「わくわくする 感動の瞬間を大切に 心と身体を育もう。」

季節は梅雨に入り、夏至を迎え梅雨があけたら本格的な夏本番です。

園舎から今日もお子さまの元気な声が聞こえています。

 今年も近隣の方から蚕の幼虫を頂きました。5ミリにも届かない小さな幼虫は、まるで消しゴムの削りあとのような、小さな小さな存在です。目を凝らして見ていると時々クネクネと身をよじらせ、桑の葉の上にいました。

 早速、コスモス組のお子様に見せると、初めて見る蚕に興味津々。頭を寄せ合い、じいっと観察が始まりました。保育園に届いた時は、20匹の蚕はお菓子の紙箱に入って届きました。昆虫ケースにそうっと10匹づつ移動させ一緒に届いた、桑の葉をそやさしくかぶせると、2つのプラケースに「おかいこさま」と貼ってコスモス組の一員になりました。

蚕が繭になるまで、毎日桑の葉がたくさん必要です。お子さまにも、桑の葉の見分け方を伝えてみんなで捜すことになりました。意識をして探してみると保育園の近くにも案外あるのでした。かつては絹の街として栄えた八王子、こんな所にも桑の葉が、ここにも桑の葉がと見つけることができました。蚕は桑の葉をどんどん食べ、どんどん大きくなっていきました。それと同時に桑の葉がなくなるのも早く、昨日あんなに沢山あったから十分足りると思っていると、あっという間になくなり大慌て。特に週末には、大量に桑の葉を用意して置きましたが、月曜日にはカラカラに乾燥して大変な状態になっていたりと、本当に目が離せませんでした。お子さまは、「おかいこさん、くわのは、いっぱいたべておおきくなってね。」と、幼いあつい思いの通りに、5ミリにもみたなかった蚕がみるみる大きくなって、10cm位にまで大きくなっていきました。ケースの中のお掃除もみんなでしました。枯れた桑の葉を取り出して新しい桑の葉に入れ替える時蚕をつまんで出さなくてはなりません、「だれか、おかいこさんをだしてください。」というと、なんと手を挙げたのは、女の子ばかり2,3人、さっきまで元気に一番前で見ていた男の子は、「むりむり、さわることはできないよ。」と後ずさり…頼もしい女の子達が手際良く蚕を移動させ、すすんでお掃除をしました。そして、ある日蚕があまり桑の葉を食べなくなり、動かなくなったなと思ったら。なんと、プラケースの隅っこにそれぞれ白い繭を作りはじめました。良く見ると黄色い繭も何個かありました。繭になって1週間後、お湯を沸かし繭をお湯に入れ糸をとりました。

お子さまには、蚕は成虫には絶対にしてはいけない約束があり、お湯につけることで死んでしまうけれど、糸を作ってみんなの服や着物や布を作ることができ昔から、人間は蚕を大切にし一緒に生きてきた事をお話ししました。出来た糸はコスモス組のお子様が「さをりの織物」を作成するときに、糸を織り込み作品として大切に残していきたいと思います。

 身近な事象や動植物に対する感動を伝えあい、共感し合うことなどを通して自分から関わろうとする意欲を育てるとともに、様々な関わり方を通してそれらに対する親しみや畏敬の念、生命を大切にする気持ち、公共心、探究心などが養われるようにすること。    『新保育所保育指針』 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容 ウ環境より

 

とあります。これからも、たくさんのことに興味関心を持ち好奇心を膨らませ、感動の瞬間を大切に心も体も大きく成長して、幸せに生きる力を身につけ未来に向かって、羽ばたいてほしいと思います。

 

 

    敬愛保育園  園長  山川 孝子

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