保育のプロによる月刊コラム

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2016年11月25日

12月のコラム 「心がほっこり あったかーい」

12月のコラム「心がほっこり あったかーい」

ある朝のこと。
目の不自由な男の人が男子高校生と一緒に横断歩道を渡っていました。
“知り合いかな?”と思いながら通り過ぎると
横断歩道を渡ったところで男子高校生が、
「あとは、この道をまっすぐに行けば着きますから」と言って
走って戻って来ました。
目の不自由な男の人は「ありがとうございます」と深々とお辞儀をし、
男子高校生も振り返って会釈をすると走って行ってしまいました。
何気ない場面でしたが、男子高校生の優しさに
心がほっと温かくなった瞬間でした。

先日、赤ちゃんを連れたお母さんが施設見学に見えました。
2歳児のHくんは赤ちゃんが気になるようで、
ちょこちょこ見に来ては赤ちゃんのほほをさわったり
「ねむってるの?」と聞いたりしてじっと赤ちゃんを見ていました。
お母さんとお話していると、Hくんが突然「あっ!」と言って走って行き
テッシュを一枚持って帰ってくると、「おはながでてる」と言って
優しく赤ちゃんの鼻水を拭き取っていました。
お母さんは「ありがとう。優しいのね」とHくんにお礼を言うと
少し照れながら小さな声で「きれいになったね」と赤ちゃんに言いました。
すると、赤ちゃんがニコっと微笑みました。
「あかちゃん、わらったよ!」と嬉しそうなHくん。
「本当!笑ってるね」と、Hくんの優しさにお母さんも私もみんなが
笑顔になりました。

1歳児のSちゃんがお気に入りの絵本を持ってきました。
「みる!」と言って、保育者の膝に座ると嬉しそうに絵本を見ています。
そこに、0歳児のKくんがよちよち歩きをしてきました。
「Kくんもみるの?どーぞ」と保育者の膝を片方譲り
一緒に絵本を見ることになりました。
Kくんは絵本をバンバンと叩いたりページをめくったり
Sちゃんは、そんなKくんに「えほんすき?」と言って
優しく話しかけていました。
急にKくんが絵本をガシっとつかみ取りそのまま立って
よちよち歩いて行ってしまいました。
Sちゃんは追いかけて行き「Kくんあとでちょーだいね」と言って
他の絵本を持ってきました。
「Sちゃんいいの?絵本」と聞くと、
「Kくん、わらってた。えほんすきだって!」と笑顔で答えていました。

日常生活の中で、さりげない優しい場面をよく見かけます。
泣いている子にいいこいいこと頭をなでるお子さま
お片づけのときに、そっと優しくおもちゃをケースに入れるお子さま。
お友だちに「どーぞ」とおもちゃを貸しているお子さま。
そんな優しさに、心が温かくなります。

お子さまは、何でも大人の言動を見て真似をします。
大人が明るく優しく温かく接すると、
同じように周りのお友だちにも、優しく温かく関わります。
大人がよい見本・手本となっていくことで、
お子さまの優しい、思いやりの心が育まれていくのです。

悲しいニュースを聞くたびに
一人でも多くの人が、優しく思いやりの心を持ち、
温かな世の中になることを願っています。

敬愛桃の実保育園  
山田寿恵

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