保育のプロによる月刊コラム

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2014年10月20日

10月のコラム「感動を伝える、感性豊かなお子さまに」

「見て!見て!」目を輝かせながら伝えにくるお子さま。発見したことを、周りの大好きな人に「見せたい」という思いで一生懸命伝えています。
三日月や中秋の名月、木々の色づき、雲の形、気温の変化、虫の声、草花やたくさんの木の実を見つけた感動、秋はお子さまの発見や驚きがいっぱいです。そばにいて寄り添い、共感する大人でありたいと常日頃思っております。
1歳児の保育室に西日が差し、壁に映し出される“自分の影”にあるお子さまが気づきました。窓を見ると眩しそうな表情。この日差しが当たっていることを察した様子で、体を動かすと壁に映る影の動く面白さを発見。次は手を動かしてみます。「ぴょんぴょんぴょん」「かえるさん」と影をかえるに見立てて遊んでいます。保育士が隣で微笑む顔を見ながら嬉しそうです。
また、ある日の夕方の1歳児の保育室。遊んでいると部屋まで茜色に染まる綺麗な夕日。お子さまが思わず指を指し「ぴんく!」「あか!」と窓辺に駈け寄り、窓にぴたっと顔を寄せて眺めていました。保育士も「わぁー綺麗な夕焼けね、テラスに出て見ましょうか?」と声をかけると、全員のお子さまが好奇心に溢れわくわくした表情でした。テラスに出ると茜色が空一面に広がり、「きゃー!」と歓声を上げて「きれい!きれい!」「あか!」と興奮しながら感動を伝えていました。一瞬一瞬空の色が変化していく様子を観察し、茜色と藍色の空になると「しましま!」と指さし、空を指でなぞるように横に動かしていました。覚えたての少ない語彙の中で、心を躍らせて歓喜の言葉として精一杯表現している素晴らしさに私も感動しました。「夕やけこやけで日が暮れて~♪」と保育士が歌うと体を揺らしながら眺めていました。また、どんどん藍色になっていくのを惜しむかのように、かわいい小さなつま先を一生懸命伸ばし、テラスの柵につかまりながら背伸びしている様子は、なんとも愛くるしい姿でした。日が沈むと「あーあ、なくなっちゃった。」といいながら保育室に戻っていましたが、その感動は大きく胸に刻まれ、時々思い出しては「きれい(だった)ね。」「あか(だった)ね。」と保育士と共感しながら会話もはずんでいました。
乳幼児期の体験は生涯の宝物となることでしょう。周りの大人が感動を共感し、情景に合わせた歌を口ずさみ、優しく微笑みながら見守ることで、きっと大きくなってからも同じような情景を見た時に歌や色、香り、人の温もりを自然と思い出すことでしょう。お子さまの現在と未来の幸せのために、感性豊かになってほしいと願いを込めて・・・。

敬愛高倉保育園
園長 塚本千鶴

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