保育のプロによる月刊コラム

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2012年11月2日

11月のコラム 「今日も会えたね!!」~共に育ち合う保育園~

空を見上げれば鰯雲に赤とんぼが舞い、季節はすっかり秋。
ついこの間までの暑さがまるで嘘のように、朝晩は寒いくらいの寒暖の差には、くさはらで鳴く虫たちの声も少し戸惑っているように感じてしまうこの頃です。
私が通う保育園は、周囲を山に囲まれた大変豊かな自然環境の中にあります。四季を通して色鮮やかに移り変わる景色が浅川の水面に映し出されます。様々な草花や小動物との出会いはもちろん、オオルリや亀の産卵に遭遇することもあります。
そんな高尾山の麓にある、0.1.2歳児の乳児のみが集う小さな保育園で、お子さま達は毎日を感性豊かに過ごしています。
10月は戸外にたくさん出かけたお子さま達。先日、秋晴れの遠足日和にお日様に見守られながら、2歳児のお子さまが高尾山へ遠足に出かけました。いつも散策の際に出会う憧れの京王線、そしてケーブルカー。お子さま達の瞳はキラキラと輝いています。「電車には大勢の人が乗っているから、うれしくても少しだけ我慢。静かにしましょうね」
保育士と交わしたお約束を守り、小さな2歳児のお子さま達が肩を並べちょこんと座りながら、車窓から見える景色を見つめる光景はなんとも可愛いものです。お子さま達の心の中を言葉で表すなら「ワクワク!ドキドキ・・・」という感じでしょう。ケーブルカーを降りてからは、お友だちと手をつなぎ歩きます。途中出会う人達に「こんにちは」と元気に挨拶を交わすお子さま達。
「何歳?」「3歳」「小さいのに偉いわね」「がんばってるわね」
このような会話に、誇らしげな表情を見せる姿もみられます。
高尾山の女坂は結構な頑張りどころですが、急な坂道も元気に歩きます。日頃より【歩く保育】を園の特徴として掲げ、0歳児の頃からトコトコと歩き、2歳児の秋には標高300メートル程の初沢山に登ってしまうお子さま達からは疲れた様子は全くみられません。
「だいじょうぶ?」「がんばれ!」「すごいね」優しい言葉が自然と飛び交うお子さま同士の会話を、笑みを浮かべ見守りながら握った手を離さない職員達。
景色が一望に眺められる広場で輪になってお弁当をいただき、帰り道では「たのしかったね」「がんばったね」「きもちよかったね」「またきたいね」など多くの会話が繰り広げられます。そんな一人一人のお子さま、そして職員の表情からは、満足感と達成感、自信に溢れているように感じました。
 お子さま達は日々の様々な活動の中で十分に体を動かしながら、周囲の環境に興味や関心を抱き、自ら働きかけ、多様な感情の収得と共に、生きる力の基礎を体得していきます。
保育園はお子さまが一日の大半を過ごす大切な生活の場です。そして、共に生活する私たち大人が発信する言葉や感情、興味や関心の一つ一つがお子さま達の健やかな育ちに大きな影響を与えることを強く感じます。
だからこそ私たち大人が、全ての人や物に優しく思いやりを持って接しながら、常に様々な事象に感性豊かに興味を持ち、お子さまに発信し続けることこそが、お子さまが本来持ち備えている豊かな感性とともに、好奇心や探求心、思考力を育み、その後のお子さまの人間力や学びの力へと繋がっていくと考えています。
 そして何よりも、保育園には「学び合い育ち合える」友だちがいます。
日々の遊びや生活体験の中で、時にはけんかをしながらも、励まし合い、認め合い、助け合いながら「みんなでいること」の楽しさや心地良さを感じて欲しい。
そう願いながら今日もお子さまと共に、現在(いま)を大切に、輝く瞬間を見逃すことなく、真っ直ぐに未来をみつめて生きていきたいと思います。       
敬愛たかお保育園  園長 山崎文恵

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